進学と転校③

校長先生と息子が2人で話している間、私たち夫婦は担任の先生と一緒に控え室で待つことになりました。

『今日までお世話になりました。』

と告げると、担任の先生は、息子とのエピソードを話し始めました。

入学して間もない日、委員決めの際に立候補者がそれぞれ自分のプレゼンをしたそうです。そこで自分のなりたい委員に立候補した息子。その息子の、自分をプレゼンする姿を見て、
(この子はすごい子だなあ。)
と思った、と。

校長先生との面談を終えて学校を後にした時、さっき担任の先生から聞いたエピソードを息子に話すと、
『そんなこと言われた事ないよ。』
と驚く息子。しかし、学校を後にした息子には、少しも後悔の念は見られませんでした。

校長先生との面談では、
『僕みたいな子を、これから1人も出さないでください。』
と、お願いしたそうです。

10月の終わりの日。

次の日から、息子は<N高等学校>の生徒になりました。

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