父と子の距離 我が家の場合

長男(19)はカナダ留学中なのですが、時間がある時を見つけてよくビデオ通話をしてくれます。

カナダへ渡ってしばらくは、生活についての小さなトラブルや通っている学校に関する話が多かったのですが、最近は留学生活にも慣れ、日常のたわいもない話をすることがほとんどです。

年末に一時帰国する予定の長男。先日の話題は『帰国して食べたいものについて』でした。

長男「帰国して最初の食事は父さんの手作りもつ鍋ね。」

私「(それ聞いたら父さん泣くな〜と思いながら)父さんに伝えとくね。」

久しぶりに食べる日本食は高級店のお寿司などではなく、小さい頃から胃袋に馴染んだお袋の味ならぬ『親父の味』がいいようです。

二男(17)は県外のちょっと特殊な全寮制高校に通っているため、高2になった今年の9月にやっとスマホが解禁になりました。

入学して1年半は学校に設置してある公衆電話から、減っていくテレホンカードの度数を気にしながらの通話。

多感な高校生にスマホ解禁はどれほど嬉しかったかと思うと、母としては嬉しい気持ちと切ない気持ちの混じった、なんとも複雑な気持ちです。

そんな二男も時間のある時にはビデオ通話をしてくれることが多く、私の知らない世界での生活の様子やこれからの自分についての話を、いつも楽しそうにしてくれます。画面ごしに話しながら、遠く離れていても息子の成長していく姿を知ることができて、とても幸せな時間です。

今日の午後、二男からかかってきた電話。

私は夫と一緒に歩いて買い物に出掛けていることろでした。

二男「あら、仲良しね〜。デート中やろ。電話切ろうか?」

私「いやいや、大丈夫よ。父さんとは毎日嫌というほど一緒にいるから。」

二男「父さん、年末帰ったらさ、美味しいラーメン屋さんに連れて行ってよ!」

夫「(嬉しそうに。でも強がって)はー?」

素直に喜べばいいのにとぼけた反応をする夫を眺めながら思うこと。

<この父と子の距離感、いいな〜>

私たち夫婦が予想もしなかったスピードで自立し、我が家を巣立った息子たち。

離れて暮らす今でも父のことを大切に思い、口に出して存在を認める言葉をかけてくれる息子たち。

そしてそんな息子たちを誇りに思いながらも恥ずかしさから素直に反応せず、私から聞くそれぞれのエピソードに時には心配し、時には嬉し涙する夫。

お互いに何をしてあげられるでもなく、信じるだけの親子関係です。

長男から送られてくる写真
夜のお散歩を日課にしているそうです

父という存在のいなかった私。

初めて目の当たりにする父と子の心地よい距離感に、

そんな家族の一員でいれる幸せをかみしめながら、何でもない特別な日々を過ごしています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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