先日、clubhouseで『日本こども支援協会』の代表である岩朝しのぶさんの話を聞く機会がありました。
なんらかの理由で親と一緒に暮らせない子どもたち。そんな子どもたちの働く場の提供という形で長年協力させていただいていますが、実際現場で子どもを見つめていらっしゃる方のお話には、たくさん考えさせられるものがありました。
貴重なお話の中で特に心に残っていることを書き残しておきたいと思います。
日本の子どもたちの現状
日本に親と暮らせない子どもは約45,000人います。そして、親と暮らせない子どもは社会的に擁護されています。社会的養護とは、さまざまな理由で親と暮らせない子どもを、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に多くの困難を抱える家庭への支援を行うことです。
親と一緒に暮らせない理由は、主に虐待です。年間虐待通報件数は12万件を超えています。そして、年間50人以上の子どもが【虐待死】しています。
国連から是正勧告を受けている日本
主要な先進国では施設養育が禁止されており、家庭に近い環境で専門的に養育されています。しかし、日本では里親と暮らしている子どもは2割にも満たず、それ以外のほとんどの子どもが養護施設で暮らしています。日本は養護施設の職員配置基準も低いために、国連から3度にわたって是正勧告を受けています。最近では勧告を受けて改善が図られてきているそうですが、それでも子どもの「愛着(アタッチメント)の形成」には不十分という報告もあります。
愛着から築かれる安全基地
「愛着」とはイギリスの精神科医ボウルビィが提唱した概念で、『特定の人に対する情緒的な絆』のことです。人格のもっとも土台の部分を形造っているもので、3歳ごろまでに形成され、いつも近くにいる同じ親(大人)が接することで育まれます。愛着は、人との基本的信頼関係、コミュニケーション能力、自己の存在を確立するためにとても重要な意味を成します。
また「安全基地」とはいざという時に頼ることができ、守ってもらえる居場所であり、そこを安心の拠り所、心の支えとすることのできる存在のことです。それは多くの場合「母親」です。
今回の岩朝さんのお話の中で、施設擁護の状態では愛着の形成が不十分であり、安全基地を築くのが難しいこと。また安全基地がないと色々なことに好奇心が湧かないため、自立支援が必要な成人が生まれていると話されていたのがとても印象的でした。子どもたちには「時々のスペシャル」より【日々の安定した日常・生活】が必要です。
私たちにできること
里親になること。それが難しくても、さまざまな支援があります。寄付支援をはじめ会員となって啓発運動へ参加すること。みんなでこのような問題について考えることだけでも、支援につながるのではないかと思います。今回私は会員に登録させていただきました。
『自分の子どもだけが幸せな社会はない』
1人の母親として、子育てに寄り添う大人として、私にできることから始めていきたいと思います。
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