ギャップイヤーって知っていますか

ギャップイヤーって知っていますか?
実は私も最近知った言葉です。日本ではまだ聞き慣れないため、そのような単語があるとは最近まで知りませんでした。
しかしある意味、特別な2020年はギャップイヤーだったのかもしれません。

ギャップイヤーとは

一般的に高校卒業後、実用的・専門的・個人的認識を深めるため、キャリアや中等教育以降の教育を始める前に半年、あるいは1年の間経験を通して学ぶこと

米非営利団体ギャップ・イヤー・アソシエーション(Gap Year Association,GYA)

つまりギャップイヤーは、子どもたちが今まで体験したことのない世界について学ぶための時間のことです。

日本では、多くの高校生が、自分が何をしたいか、どのような学びによって自分のキャリアを形成するか考える暇もなく、進学するための学校を選んでいるように思えます。実際、仕事でたくさんの大学生のアルバイトと出会ってきましたが、特に目的のないまま、何をしたいかわからないまま大学の4年間を過ごしている子が多いことに驚きます。卒業時にはほとんどの子が高級車が余裕で買えるほどの奨学金という名のローンを抱えるにもかかわらず。

でもそれは仕方のないことかもしれません。高校へ入学すれば、通常の授業に加えて課外授業、部活、塾に通っている子もいます。中学生と全く変わらない時間の流れの中で、学校と自宅の往復の毎日。アルバイトも原則禁止。週末は遊びに行くものの、日帰りできる範囲内。家に帰ればSNSと動画観賞で息抜き。学校で教えられること以外に興味はあっても、それを深く問い詰める余裕は生まれない子が多いのかもしれません。いわゆる普通高校のカリキュラムは、高校卒業資格に必要な単位を大幅に上回る単位を取得するように作られています。単位を取得するのは大学受験のためなので、子どもが

「高校を卒業したら1年間自由に過ごす」

と言いだすと、大人は黙ってはいられないのでしょう。自由=怠けると取られてしまうのか。しかも、なぜか現役合格が素晴らしいことのように謳っている広告の多いこと。とても不思議に感じます。

ギャップイヤーは現在、多くの海外の大学で推奨されています。それは、ギャップイヤーを経験し入学してくる学生たちの多くは、高校卒業直後に入学してくる学生よりも、視野が広く自立している場合が多いためです。ギャップイヤーで1年間海外を旅行しながら回る、ボランティア活動に参加するなどの中で、今まで出会ったことのない人とのコミュニケーションから学ぶことができ、様々なコネクションをもつことで、自分の人生の目標を見つけるきっかけになるのではないでしょうか。実際GYAのデータからも、回答者の77%はギャップイヤーにより人生の目標が見つかったと答え、73%が大学に備えることができたと答えているそうです。

ただでさえ今は人生100年時代。今の10代は100歳まで生きる可能性が50%を超える予想です。人生の多くの時間を費やすキャリアパスを選ぶ前に1年間休息をとって、世界とは何か、自分は何者か、どこに向かっているか考える、自分のためだけに使う時間を持つことはとても大切なことだと思います。

人に与えられた人生は1回限り。そしてその子の人生はその子のものです。
もしお子さんに自分自身と向き合う時間が必要だと感じたら、大学進学より先にギャップイヤーについて話してみてはいかがでしょうか。きっと人生で忘れられない1年になると思います。

そして、毎日忙しい私たち親にとってもギャップイヤーは必要かもしれません。







関連記事

  1. 受験生のお母さんへ

  2. 壁のないコミュニケーション

  3. 仲直りできなくても大丈夫

  4. AP(アクティブペアレンティング)との出会い

  5. 父と子の距離 我が家の場合

  6. 私のミッションステートメント

  7. 『きみの隣りで』の心地よい親子関係

  8. 子どもが大きな病気だと分かった時、親にできること

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

SPECIAL POSTS

  1. 誰に対する責任か
  2. 旅の終わりに思うこと
  3. 今日の『信じる』
  4. 『こうなればいい』と『こうなる』は違う

PICK UP

  1. blog

ARCHIVES