いつもは朝食を食べ終えると、洗面所と自分の部屋を行ったり来たりして身支度を始める中学生の娘。
でも今朝はやけに静かです。
「今日はゆっくりなのかな」
私はそう思いながらも片付けや洗濯物に追われ、あっという間に出勤時間が近づいてきました。
(あれ?こんな時間なのにまだ出ていってないよね)「大丈夫ー?」
娘の部屋をノックすると、二度寝していたのか、何が起きたかわからないといった様子で部屋から飛び出してきました。
娘:「え?」
母:「え?」
娘も私もかなり遅い時間(いつもならあと5分で家を出る時間)であることを知って思考停止。
とっさに何をしていいのかわからずキョロキョロする娘。
(学校行かないって言い出すかも)
不安を先取りする母。
毎日準備に30分くらいかかることからも非常事態であることはすぐに想像できます。
制服の準備してあげようかな
リビングにある教科書は今日いるのかな
水筒をカバンに入れてあげようかな
焦っている娘を不憫に思う母には、やってあげたいことがたくさん浮かんできます。
んーーー
でもちょっと待って。
信じてみよう。
今から急いで準備すれば、間に合うかもしれないし
たとえ遅刻したとしても、そこからきっと何か学べるはず
うん、信じよう。
手助けしたい気持ちをぐっと我慢して、平常心(を装って)で見守ることにしました。
すると最初こそ困惑したような表情をしていた娘ですが、気持ちを切り替えたのか直ぐにテキパキと準備を始め、リュックを背負い、玄関で靴を履いたのはいつも家を出る時間+5分。
「行ってきます」
と小さな声で言って出て行きました。
(ちゃんと行くんだね。えらい!)
ちょっと前までは、時間に余裕がなくなると急にやる気がなくなったり、諦めたりしがちだった娘。
それが今日は、時間が遅くなっても泣き言も言わず、自分でちゃんと準備をして出かけて行きました。
子どもの成長を感じる瞬間。
親としてこの上ない喜びの瞬間です。
信じてよかった。
手助けしてあげたら、その場の子どもの大変な状況は軽くなったかもしれない。
でも同時に、子どものできる力を奪ってしまうかもしれないし、
「あなたはできない」というメッセージを送ってしまうことになるかもしれない。
信じて見守ることは、簡単そうで難しい。
でも、信じることができるようになった時、子どもの成長を感じる瞬間が増えた様な気がします。
そして、
「信じることができた私っていいね!」
って思うようにしています。
夕方帰ってきた娘に
「今日は大丈夫だった?」
と聞くと、
「うん、普通に走らなくても遅刻しなかったよ。」
とにっこり。
やっぱり信じてよかった。
子どもを信じることの大切さをあらためて感じた、ある朝の出来事でした。
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