通知表とセルフエステーム

多くの学校では卒業式が行われ、進学、進級の季節となりましたね。

4月生まれだからでしょうか、私の一番好きな季節です。

たくさんの出会いと別れの思い出が蘇り、今に繋がっているんだなーとしみじみしたり、ぽかぽか日和をお散歩したり。

ですが、親としてはこの季節、頭の痛い季節でもあります。

進学進級にかかる手続きや出費、そして何より、子どもの学力を意識してしまう季節。

そうです。通知表をもらって帰ってくるからです!

では質問です。

通知表を見て、お子さんになんと声をかけましたか?

そして、それを聞いたお子さんの反応はどうでしたか?

通知表を見て和やかに反省会・・・とはいかない雰囲気、お察しします。

私も、上の子が小学校くらいまでは重い空気が流れていたのを覚えています。

子どもが帰ってくると、とにかく質問責め。

「どうしてこんな成績だったの?」

「お友達はどうだった?」

「もっとよくなるにはどうしたらいいと思う?」

そんな質問に対して子どもが答えてくれるはずもなく、険悪な雰囲気で終了。

かと思えば疲れているのは私だけで、子どもの何もなかったかのような態度にさらにイライラ。

今思えば反省しかありません。。。

そんな経験を経て、今では通知表を全く違うツールとして活用しています。

それは、『子どものセルフエステームを育むためのツール』

※セルフエスティーム・・・自己肯定感、自己愛という意味でAPではよく使っているワードです。

子どもの思うような良い成績であった場合

このような場合は簡単ですね。一緒に喜びましょう。

大げさに褒め称える必要はありません。子どもの嬉しい気持ちを分かち合う、それだけで大丈夫です。

親の嬉しい気持ちを感じて、子どもは次のステップへのエネルギーを発揮します。

決して「次はもっとよくなるね!」などとプレッシャーを与えないことも忘れずに。

子どもの思うような成績ではなく、本人が落ち込んでいる場合

そんな時は『共感』です。悔しかったね、悲しかったね、と気持ちを受け止める。

そうして感情を吐き出し受け止めてもらうことができると、子どもは自分で次の行動を考え始めます。

親は聴くだけ、それだけで子どものチャレンジする力を引き出すことにつながると思います。

本人が落ち込んでいるのに輪をかけて注意するのは、効果的ではありません。

私の使い方

基本的に他人からの評価は気にしない体質ですが、せっかくもらってくる通知表。使わない手はありません。

良い成績に子どもが満足している場合→一緒に喜ぶ。

悪い成績で子どもが落ち込んでいる場合→子どもの気持ちを受け入れ、共感する。

ここまでは前述した内容通りなのですが、ここからが大事!

子どもがなんの反応も見せない場合→当たり前と思われるような内容にあえてコメントする。

子どものセルフエスティームを育てるには、行為よりも存在を見ていく方が有効です。なので、あえて数字の良いところではなく、記入されている先生からのコメントの一部や、生活の様子について声をかけます。

例えば、

「1年間楽しく過ごしたんだね。」

「係の仕事を最後までやったんだね。」

そして何より通知表をもらってきてきたことに

「おつかれさま。」

と。

子育ての目標は子どもの自立

何度もお伝えしているのですが、子育ての目標は子どもの自立です。

自立には、健全なセルフエスティームが育っていることが必要です。

そしてその自立とは『精神的な自立』だと私は思っています。

精神的に自立している人は、いつでも学べるし、失敗してもまたチャレンジできるからです。

学力を育むことも大切なことの一つとは思いますが、できていない面を指摘することによって子どものセルフエスティームは低下し、自立へのエネルギーが失われることもあります。

親には、教師や裁判官になること以外の役割があるはずです。

わが子にとって今一番必要な関わり方はなんなのか。その関わりは自立へ結びつくのか。しっかり見極め、積極的に関わっていきたい。

そしてその関わり方を知りたいと思っている方へ届けていきたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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