子どもの個性をのばすには〜忙しすぎる子どもたち〜

4人の子どもがそれぞれ全く違う性格と趣味を持って生活している我が家。
よく質問を受けるのは、どうしたら子どもの個性を伸ばせますかということ。

ちなみに、我が家の長男はカナダ留学予定、次男は神奈川にある陸上自衛隊高等工科学校へ進学している。いわゆる自由人で毎朝淹れたてのコーヒーが飲みたい長男と、毎朝6時のラッパで起きる規則正しい生活の中でも楽しみを見つけて頑張る次男。

どちらもオルタナティブな人ですね。

個性を伸ばすには?と考えて接してきたわけではないので大きなことは言えませんが(すいません)、当たり前のことですが、性格も体格も違う二人。とにかく親が干渉せず、レールをひかず、子どもの思うままに寄り添ってきたらこうなったということでしょうか。

あえて言うなら、家族でいろいろなところへ連れていく、たくさんの人と関わりを持つ、子どもが何もしない時間を尊重するということです。特に、子どもが何もしない時間を作るのはとても大切なことだと思います。

今のこどもたち、忙しいですよね?
習い事の掛け持ち、中学校になれば部活の朝練や土日も試合、それが終わって遅くまで塾へ通う。高校になれば、朝課外から部活までこなし、帰ってくるのは夜遅く。家に帰るとご飯とお風呂をバタバタとこなし、宿題に追われる。読書なんかする暇もなく、それでもSNSは大事にして。

これって普通のことではないと思います。
とりわけ海外の友達に言わせれば、塾へ通う意味がわからない。部活も日本特有の活動です。海外にもスポーツクラブに所属して楽しんでいることもはたくさんいますが、もちろん学校とは別の活動なので、部活を通して教員と接する、指導を受けるなんてことはありません。

子どもたちはアイデンティティーが確立してくる大切な時期を、ほとんど学校内の限られた大人の中で過ごします。もちろん子どもたちのために尽力してくださっている先生方には感謝していますが、あまりにも子どもの時間が大人にコントロールされすぎに感じます。子どもには子どもの都合があって、子どもらしい時間の使い方なんて今しかできないのにと思うと、とても残念です。

学校へ行くこと、学ぶことは大事です。ですが、授業以外の時間をもう少し子どもへ渡してはどうでしょうか。

子どもは皆、育つ力を持っていると思います。
それは大人が育てよう、変えようとする力よりはるかに強い力です。
その育つ力を信じてみてはどうでしょう。

子どもたちは自分の時間の中で、面白い発見や出会いを見つけるずです。家の近所を歩いていて何かの破片を拾う。公園へ出かけて近所のおじいさんに話しかけられる。家にあった本をパラパラめくる。なんでもいいのです。親にとっては無駄に感じる時間かもしれませんが、子どもの頃に感じた些細なことが、大人になって思いもよらない形で蘇る、小さな点が繋がる時が来るのだと思います。

子どもが家でボーッとしている時はチャンスです。ついつい「宿題は?」と言いたくなる気持ちを抑えてそっとしておきましょう。きっと子どもの頭の中は活発に動いているはずです。そしてそんな時間から、その子らしさ(個性)が生まれてくるのだと思います。


エリーズ ボールディング著 松岡享子訳
『子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)』

孤独は自分自身を発見するために欠かせない条件であり、ひとりでいる時にしか起きないある種の成長がある、と説いてあるこちらの本。
ずいぶん前に書かれた本ですが、忙しい毎日を送る私たちにオススメの本です。

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