この日を最後に転校するという日。
はじめに、担任の先生とスクールカウンセラーの先生と息子、私たち夫婦で面談をしました。
将来は海外で活躍したいという夢を持って、国際交流が特徴の高校へ進み、
いわゆる進学クラスへ在籍していた息子。海外で活躍するには、自分の意見を持っていないと相手にされない。その意見が正解でもそうでなくても。
そういう当たり前の思考で自分の意見を述べると、担任の先生から目を合わせてもらえない。体育の時間の座り方が悪く、前を通る人が危ないからと指導を受ける。体育の先生の指導は本当に厳しく、まず反省文。それに何度も書き直しを要求される。言葉で反省の意を述べても反省が足りないと何度も言われる。
廊下を歩いていると面識もない先生から
『あなたが〇〇くん?』
と言われ、昼休みには体育教官室に毎日呼び出される日々。
指導のきっかけは息子にあったのでしょう。でもまだ息子は高校1年生。これからたくさんの経験をして、学んで、青年へと成長していくのだと思っていましたし、たくさん失敗することでこそ成長できるのだという思いもありました。しかし、一度失敗を起こした息子に対する指導は、あまりにもひどいものだったのではないかと思います。
自分が受けてきた指導を淡々と話す息子に、カウンセラーの先生は
『そんなことがあったんですね』
と涙を流されました。
これまで何度も担任の先生、教頭先生、部活の顧問と面談を重ねてきたのに、この子はこんなに辛い思いをして毎日を過ごしていたのに、カウンセラーの先生にはそんな事は知らされないのですね。
転校を決めて良かったと、息子も私たち夫婦も、そう確信しました。
次の、校長先生、教頭先生、担任の先生と私たちの面談は、シナリオに沿って転校の意思を問うもので、ほとんど儀式のように終了しました。
そのシナリオの儀式が終了した瞬間、息子が言いました。
『校長先生と2人で話をさせてください。』
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